日々、整える

50代*これからの暮らしのレシピ by.コギレイ堂

50代のおうち箋「まにあわせ」

「引っ越しするから」「結婚するから」

せっかくの機会に、「テキトー(適当)」な家具や道具をそろえがち。もったいないなぁ。

「とりあえず~」とか「テキトーに~」を繰り返して、並べてみたら「何でこれを買ったのだろう?」なんてことに。

どうよ!?(私、「どうよ!?」多い)

人生まで「まにあわせ」になってしまいそうよ…。

 

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37年目の食器棚

 

 

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まなみ

最後に「人生」まで出てきたわよ、序文!ほなっ!

 

1.仕事仲間(建築インテリア)の言葉「まにあわせ人生」

「うまいこと言うなぁ」随分前のことなのに、今も印象深く私の中に残っています。家の中のいうのはそこに住まうヒトのライフスタイルだけでなく、シコウ(思考・志向・嗜好)も見え隠れする。家に携わる仕事をしていると、そう感じることが多い。

 

せっかくの空間に「寸法がピッタリだったから」「安かったから」とたくさんのモノが持ち込まれ、壁を床を埋めていく。そこに住まうヒトの自由だが、造り手は残念な気持ちになることも実は少なくない。

 

新しく暮らしをはじめる「独立」「結婚」という機会にも「テキトー」な選び方をしてしまうことがあるのに、既に暮らしがはじまっている場合の家(部屋)はよりそうなるのはしょうがないことなのだろうか。「とりあえず」「テキトー」を繰り返していたら、すべてが「まにあわせ」で終わってしまう。

つまりは「まにあわせ人生」ってこと。

 

2.身内だから言えた本音のアドバイス その1

 

上弟が結婚する時、お嫁さん(義妹)が家具選びに私の同行を頼んできた。どうしたものかと弟の様子を探ると、「まぁちゃん(私のこと、人生一度も「お姉さん」と呼ばれたことがない)、い、忙しいからなぁ~」なんだか引きつっている、嫌がっている。

「ええよぉ~、弟の結婚やのにかまへん、かまへん~」嫌がらせよね、ほとんど。(笑)

 

ついて行った。お店へ向かう車中の姉弟の会話

「〇〇とか、□□とか、どこがアカンか言うてみて!」弟がケンカ腰に言ってくる。

「アカンわけではない。どこがいいか言うてみ!」私(姉)

「安い!!!」弟

「他には?」私

「ん~、安い…」弟

「安いしかないん?それがいいこと?」私

「…」返す言葉が見つからない弟

 

3.身内だから言えた本音のアドバイス その2

 私がいいと思うモノを順番に3つ選んで、見せた。弟の最大基準「金額」の高いモノから。弟にとって普段あまり興味のない「家具」というものを「これでもかっ!」てくらいに見せられて飽きるのかと思いきや、段々楽しんでいるのが分かった。

「最初のが一番よかった」弟

「そぉら、見たことか!」心の声、ほくそ笑む私

 

新居の家具を選び終えた、帰りの車中の姉弟の会話

「やっぱりええモノはええなぁ!」行きとは違う鼻息の荒さの弟

「せやろ」もうあまり言わなくていい私

しかし、ここでたたみかけるのが「姉」というもの。

「あんたは家電や車に興味があって、それにかかるお金についてはあまり何も思わない。せっかくの家電、どこに置くん?すのこ?カラーボックス?そんなん嫌やろ、合わへんやん。それにあんたの年齢、収入、買えるやん。見る前は”安いモノをテキトーに買って、また買い換えたらいい”って言ったよな?(そんなやりとりもありました)

それってどうよ!?その時は”ちょっと高いかな”と思ってもいいモノを買って、長いこと使えばいいんちゃうん!?」♪もうどうにもとまらない~♪な私

「私もその方がいいです…すのこは嫌です。」あなた居たわね、義妹

 

4.身内だから言えた本音のアドバイス その3

わが家(弟には実家)を見回し、「古くなったけど、今もなんかええよな~」と弟。私達が中高生で転居、その際に両親が揃えた家具。ただしくは父がほとんど選んで、家を選んだのは母。それらの家具を観た時子供ながらにも「高そっ!」と思ったし、母の考える「家具の予算」を大幅に上回っていることも察知した。落ち込み気味の母に「家はお母さんが好きなのを買ったからええやんか」と励ましたのは弟だったっけ。

 

私・上弟・末弟の3人が成長するにつれモノも増え、新たに家具も増え壁を埋め尽くした時期もあった。それこそ「寸法がピッタリなだけの安価なまにあわせ」がドンドン増加したのです。

 

モノ減らしと家族の人数が減るごとに、「まにあわせ」は減っていき、床も壁も見えはじめ残ったのは転居の際に選んだモノばかり。先の弟の言葉は「元に戻ったわが家」を観ての感想。大人になるまでの家族の悲喜こもごも、家具が知っているかのよう。

 

「ダイニングセット、これがいいって言うねんけどどう?」

私の意見にすっかり耳を傾ける気になった弟はその後も色々と。

「あんた、水廻りのモノは義妹に選ばしてあげ~。それでなくても随分年上でえらそうにしてるんだから、かわいそうやで!」

義妹は末弟より、末弟嫁より年下なのに「お義姉さん」なのだからややこしい。(そのため全員名前呼び)

「う~ん、せやなぁ。そうしよう。」やむなし気味の弟

「押しつけ、強行突破はアカンよ!」釘さす私、姉の強み

 

5.「まにあわせ」まとめ

大阪弁多めでお送りしました。それも身内話満開で。ついでにまとめも身内話で!

 

この時から14年後になるのかなぁ(もう年月が曖昧な近頃)、弟の次男(私には甥っ子3号)がわが家に来た時

「ばぁばとまぁちゃん(これまた姪甥達にも「おばちゃん」とは呼ばれたことがない)の家ってなんかいいよねぇ。この食器棚も~」

10才くらいの少年とは思えない発言。食器棚は傷もいっぱい、傷んだ金具は末弟のDIYにより似たモノと交換したくらいの35年を超える年季モノ。

 

なんか、「歴史」を感じませんか?大そうだけど。あの時の「わぁわぁした、それぞれが思ったことをストレートに言い合う会話に聞こえない会話」(後日の義妹談、姉妹しかいない義妹には姉弟トークは強烈だったそうです)から壮大な歴史物語。年月を経て私が50代になって、甥っ子3号が「姉の言葉」をより確固たるものにしてくれた気さえしています。「まにあわせで間に合わすなよぉ~!」

 

これは弟にだから言えたストレートな言葉の数々です。家を整える、家具選びについて私が考えていることに違いはないのですが普段はもう少し、オブラートに包んで言ったり、書いたりするようにしています。物語、モノ語り、エピソードが増えていくようなモノだといいなぁと思います。

 

(ま)

 

とても長い間「寝かせた記事」です。(熟成したかも)

「高額なモノがいい」ってことではありません。長く使いながら育てるようなモノが「家具」にはいいのではないかと考えているのです。ならば、耐久性もあり、しっかりした造りであってほしい。ちょっと頑張って買ったモノなら、満足度も長く続く。そういうモノ選び、使い方、愛着、子供にも伝わり、やがて大人になった時そのように住まいを作るとしたら「まにまわせ」は残念なことに思えます。残念と気づかないかもしれない「残念」(じゅげむか…)

私自身、教えてもらってよかったと思っています。教えたつもりはないんだろうけど、モノのない時代に育った両親のモノ選びは、モノがあふれる時代に学ぶべきところが多く考えさせられることが多いと感じる。

 

うわぁ、ほぼ3000字です!読んでくださって、ありがとうございます。

 

いろいろあります、「おうち箋」

 

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